小規模事業者持続者補助金は、小規模事業者が販路開拓や生産性向上のために行う取り組みを国(経済産業省)が支援し、事業の持続的な発展を促進することを目的として提供される補助金です。小規模事業者自らが経営計画を策定し、各地域の商工会・商工会議所の支援を受けながら販路開拓に取り組むことによって経費の一部(上限50万円~250万円)の補助を受けられます。今回の記事では、小規模事業者持続化補助金とは何か?その概要と申請から採択までのスケジュールを詳しく解説いたします。
⒈小規模事業者持続化補助金の概要
⑴補助の対象者
小規模事業者持続化補助金の対象者の第一条件は「小規模事業者であること」です。以下のように、業種ごとに従業員数で小規模事業者であるか否かを判断しています。
また一部補助対象者とならない職種や法人もあり、補助対象者の範囲は以下の通りです。
他にも、以下の要件をすべて満たしている必要があります。
・資本金又は出資金が5億円以上の法人に直接または間接に100%の株式を保有されていないこと
・確定している(申告済み)の直近過去3年分の「各年」または「各事業年度」の課税所得の平均額が15億円を超えていないこと
・商工会議所の管轄地域内で事業を営んでいること
・持続化補助金(一般型、コロナ特別対応型、低感染リスク型ビジネス枠)で採択を受けて補助事業を実施した場合、各事業の交付規定で定める様式第14「小規模事業者持続化補助金に係る事業効果及び賃金引上げ等状況報告書」を、原則本補助金の申請までに受領されたものであること。
・「卒業枠」で採択され事業を実施した事業者ではないこと
⑵補助対象事業
補助の対象となる事業は、以下のいずれの要件も満たす事業であるものをいいます。
⑶申請枠と補助率・補助上限
小規模事業者の申請類型と補助率・補助上限は以下の表の通りです。販路開拓に必要な経費の一部が補助され、通常枠・特別枠のいずれか一つの枠のみ申請可能です。
各申請枠の概要及び要件を簡易的にまとめると以下のようになります。申請枠を選択する際に参考にしてみてください。
⑷補助の対象となる経費
小規模事業者持続化補助金の対象となる経費は、次に掲げる経費となります。策定した「経営計画」に基づいて実施された取組について補助を受けることができます。
≪補助金額に上限がある経費≫
・ウェブサイト関連費は、補助金額確定時において認められる補助金総額の1/4(最大50万円)が上限額となります。
・設備処分費は、補助金額確定時において認められる補助金総額の1/2が上限額となります。
※上記両経費とも、各々の経費のみによる申請はできません。
⒉申請手続きについて
第16回の小規模事業者持続化補助金のスケジュールは、例年のものと比べてかなりタイトなものとなっています。申請開始日は5/8~で申請書類提出期限は5/27でしたが、商工会議所等への事業支援計画書発行の受付が5/20までとなっており、実質の申請期間は12日間と超短期間でした。
第17回の公募要領はまだ発表されていませんが、同じように申請期間が短い可能性もありますのでスケジュール管理には十分な注意が必要です。またその後の事業完了までのスケジュールについては、採択・交付決定が8月頃、補助事業の実施は11月4日までとなっていますので、補助事業の実施期間は概ね2か月半ほどということになります。
⑴申請手続きの流れ
申請は、第16回は電子申請システムのみでの受付でした。申請の入力は、申請者自身が申請システム操作手引き等に従い行います。電子システムを利用するにはGビズIDプライムもしくはGビズIDメンバーのアカウント取得が必要です。アカウントの取得には数週間程度を要することもありますので、未取得の方は早めに利用登録を行っておきましょう。
申請の手続きは、以下のような流れで行います。
⑵必要な申請書類
小規模事業者持続化補助金の必要書類は概ね以下の通りです。各書類の詳細については、持続化補助金の「公募要領」や「ガイドブック」にて確認しておきましょう。
同一事業者からの同一受付締切回への応募を1件となります。複数の屋号をの使用している個人事業主も応募は1件のみです。
⑶採択審査
補助金の採択審査は、提出資料について「基礎審査」「計画審査」「加点審査」の3つの「審査の観点」に基づき、有識者等により構成される審査委員会において行われます。採択審査は非公開で行われ、提案内容に関するヒアリングは実施されません。3つの「審査の観点」を踏まえた審査のポイントを以下にまとめましたのでご参照ください
給付金支・援金等とは異なり、要件を満たすすべての方が採択となるわけではなく、審査によって、評価の高い案件から順に採択されます。また、政策的観点から「加点一覧」については、優先採択のための加点措置が講じられることになります。
⑷採択・交付決定後の流れ
採択・交付決定後の流れを確認しておきます。
⒊おわりに
事業者が新たに販路を開拓したり、新商品を開発したりするときには相応の経費がかかります。小規模事業者持続化補助金は、その経費が幅広く補助されるため、持続的経営に向けた販路拡大や生産向上に取り組みやすくなるのがメリットです。また、持続化補助金を申請する際に作成する「経営計画書」には、経営方針や顧客ニーズ、市場動向、自社の強みや今後のプランなどを記載することになりますので、自社の経営を見直す良い機会となるでしょう。
補助金の中には、大掛かりな設備投資を対象とするものもありますが、小規模事業者持続化補助金は、幅広い経費が対象となっており、比較的申請しやすい補助金でもあります。小規模事業者持続化補助金で、初めての補助金申請に取り組んでみてはいかかでしょうか。申請に際し今回の記事が参考になれば幸いです。
行政書士こんどう事務所は、補助金申請に取り組まれる事業者様のサポート業務を行っております。
補助金を受けるための要件を満たしているか、不備がないかなど、第三者の目が入ることで確認漏れが減少し書類作成がスムーズに進みます。また、補助金の審査に通りやすくなるためのポイントなどを踏まえた上で、経営計画書作成時のアドバイスもいたします。
補助金の申請をしたいけれど、「手続きが面倒で難しそう」「一人で書類を作れる自信がない」と不安を抱く事業者様も少なくないでしょう。補助金申請についてお悩みであればぜひ一度当事務所へご相談ください。お待ちしております。
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