- 「今は元気だけれど、この先ひとりで暮らしていけるか不安」
- 「離れて暮らす家族に、あまり心配をかけたくない」
- 「入院したときや体調を崩したとき、相談できる人がほしい」
- 「身近に頼れる親族がいない」
このような不安を感じることはありませんか?高齢になっても元気に自分らしく暮らしている方はたくさんいらっしゃいます。一方で、年齢を重ねるにつれて、体調の変化や入院、任意機能の低下など、将来への心配が少しずつ増えてくることもあります。
そのような「今は元気だけれど、これからが少し心配」という時期から利用できる仕組みの一つが、見守り契約です。今回は、見守り契約とはどのようなものなのか、任意後見契約や死後事務委任契約との関係も含めて、わかりやすくご説明します。
1.見守り契約とは?
見守り契約とは、定期的な連絡や面談などを通じて、ご本人の生活状況や健康状態の変化を確認するための契約です。
たとえば、
- 定期的に電話やメールで連絡する
- 定期的に訪問してお話を伺う
- 生活上の困りごとがないか確認する
- 体調や生活状況の変化を確認する
- 必要に応じて相談先や支援機関につなぐ
といった内容が考えられます。具体的な支援内容や連絡の頻度は、その方の生活状況や希望に応じて決めていきます。
- 「毎月1回訪問してほしい」
- 「まずは電話で定期的に話をしたい」
- 「離れて暮らす家族とも必要に応じて連携してほしい」
など、ご本人に合った形を考えることができます。
2.どのような方に向いている?
見守り契約は、特に次のような方に適しています。
- ひとり暮らしをしている
- 子どもや親族が遠方に住んでいる
- 身近に頼れる人がいない
- 将来の認知症が心配
- できるだけ長く自宅で暮らしたい
- 入院や施設入所が必要になったときが不安
- 今のうちから信頼できる相談相手を決めておきたい
見守り契約は、「すでに生活に大きな支障がある方」だけのものではありません。むしろ、ご自身で判断し、将来について考えられる元気なうちから準備できることに大きな意味があります。
3.見守り契約の大切な役割は「変化に気づくこと」
見守り契約の大切な役割の一つは、ご本人の小さな変化に気づくことです。
たとえば、
- 「最近、同じ話を繰り返すことが増えた」
- 「郵便物がたまるようになった」
- 「支払いを忘れることが増えた」
- 「以前より外出が減った」
- 「体調が悪そうだが、本人は大丈夫と言っている」
こうした変化は、ご本人自身では気づきにくいことがあります。また、離れて暮らすご家族の場合、日常の小さな変化を把握することが難しい場合もあります。定期的に連絡や面談を続けることで、変化に気づき、必要な支援を早めに検討するきっかけになります。
4.見守り契約と任意後見契約の関係
見守り契約とあわせて検討されることが多いのが、任意後見契約です。
任意後見契約とは、将来、認知症などによって判断能力が低下した場合に備えて、あらかじめ信頼できる人に支援をお願いしておく契約です。ただし、任意後見契約は、契約を結んだ直後からすぐに後見人としての支援が始まるわけではありません。ご本人の判断能力が低下し、家庭裁判所によって任意後見監督人が選任された後に、任意後見人の支援が始まります。
そこで重要になるのが、その前の段階です。
- 「判断能力が低下してきたことに、誰が気づくのか」
- 「いつ任意後見を始めるべきか」
- 「本人の生活状況を誰が継続的に把握するのか」
見守り契約によって定期的な関わりを持つことで、ご本人の変化を把握し、必要なタイミングで次の支援を検討しやすくなります。つまり、
元気なうちの見守り
↓
判断能力が低下した後の任意後見
というように、切れ目のない支援につなげることができます。
5.見守り契約と死後事務委任契約の関係
将来への備えを考えるときには、亡くなった後のことも気になる方がいらっしゃいます。
- 「自分が亡くなった後、誰が手続きをしてくれるの?」
- 「葬儀や納骨はどうなる?」
- 「賃貸住宅の片付けは?」
- 「電気やガス、携帯電話などの解約は誰がするの?」
このような死後の手続きを、あらかじめ信頼できる人に依頼しておく契約が、死後事務委任契約です。死後事務委任契約では、契約内容に応じて、
- 親族や関係者への連絡
- 葬儀や火葬に関する手続き
- 納骨に関する手続き
- 住居の明渡しに関する手続き
- 公共料金等の解約
- 家財や遺品の整理に関する手配
などを委任することが考えられます。
見守り契約と死後事務委任契約を組み合わせることで、生前から継続的に関わり、ご本人の希望や考えを確認しながら、亡くなった後の手続きにも備えることができます。
6.「元気な今」から「もしもの後」まで考える
将来への備えは、一つの契約だけですべてを解決できるとは限りません。たとえば、
元気なうち
→ 見守り契約
判断能力が低下したとき
→ 任意後見契約
亡くなった後
→ 死後事務委任契約
というように、それぞれの時期に応じた仕組みがあります。また、財産管理についての支援や、遺言書の作成などをあわせて検討することが適している場合もあります。
大切なのは、「何となく不安だから、すべて契約する」ということではありません。ご自身の家族関係、生活状況、財産の内容、健康状態、将来の希望などを整理しながら、必要な備えを選ぶことが大切です。
7.見守りは「確認」だけではなく「関係づくり」
見守り契約というと、「毎月、元気かどうかを確認するだけ」と思われるかもしれません。
しかし、継続的な見守りの大切な意味は、少しずつ信頼関係を築いていくことにもあります。いざ困ったことが起きたとき、まったく知らない人に突然相談するのは簡単ではありません。
元気なうちから定期的に顔を合わせ、
「最近どうですか?」
「何か困っていることはありませんか?」
「これからどのように暮らしていきたいですか?」
とお話を重ねることで、ご本人の考え方や大切にしていることを少しずつ理解することができます。
将来、支援が必要になったときにも、それまでの関係性やご本人の希望を踏まえて、一緒に考えていくことができます。
将来の不安を、一つずつ整理するために
「まだ元気だから、今すぐ何かする必要はない」
そう思われる方も多いかもしれません。もちろん、すぐに契約が必要とは限りません。
ただ、将来について考え、自分はどのような暮らしを続けたいのか、困ったときに誰に頼りたいのかを整理しておくことは、安心につながります。
当事務所では、
- 見守り契約
- 任意後見契約
- 死後事務委任契約
- 遺言書作成
- 将来に向けた各種契約のご相談
などを通じて、その方の状況やご希望に応じたサポートを行っています。
「ひとり暮らしの将来が少し心配」
「子どもが遠方に住んでいる」
「頼れる親族が少ない」
「元気なうちに、これからのことを整理したい」
という段階でも、どうぞお気軽にご相談ください。これからも自分らしく安心して暮らしていくために、必要な備えを一緒に考えてまいります。




